感情の輪:今の気持ちを言葉にして、パートナーに伝える

「感情の輪」は、中心に大まかな感情のグループ、外側に具体的な感情の言葉を並べた円形の図です。まずは真ん中から一番近いグループを選び、ピンとくる言葉が見つかるまで外側へ進んでみてください。輪をタップすると、37個の感情それぞれの意味や、パートナーにそのまま伝えられるフレーズ、その気持ちの裏にあるニーズがわかります。

どのグループが一番近いですか?

輪の中心から始めましょう。当てはまらないグループを外して一番近いものを選び、しっくりくる言葉が見つかるまで外側へ進みます。

印刷して使える「感情の輪」をダウンロード(PDF) A4・1ページ、無料、登録不要です。

感情の輪(フィーリングホイール)の使い方

感情の輪は、内側から外側へ向かって読みます。中心には8つの大きな感情グループがあり、外側のリングにはそれぞれの具体的な言葉が並んでいます。

  1. まず体の感覚に目を向ける。 言葉が出てくる前でも、胸の締めつけや顔のほてり、胃の重さがヒントになります。
  2. 当てはまらないグループを外す。 いま何を感じているか分からなくても、「これではない」というものは分かるはずです。ピンとこないグループを消していきましょう。
  3. ひとつ外側のリングを見る。 残ったグループの中の言葉を読み、いちばん近いものを選びます。2つ当てはまるなら両方残してかまいません。気持ちが入り混じるのは自然なことで、Phorbでも1回に2つまで記録できます。
  4. 一文で言葉にしてみる。 頭の中で思うだけより、声に出したり書き留めたりする方がずっと気持ちが整理されます。

3日連続で「別に」「疲れた」と答えている自分に気づいたら、感情の輪を開いてみてください。そうした言葉は会話を閉じてしまいますが、「失望」や「孤独」ならパートナーも言葉を返しやすくなります。

パートナーへの気持ちの伝え方

1〜2文でシンプルに伝えます。

[起きたこと]について[感情の言葉]と感じている。[1つのニーズ]してもらえると助かる。

たとえば、「今月のお金のことで心配になっている。日曜日にふたりで数字を見直せたら安心できる」と伝えます。そこまで言ったら一度止めて、パートナーの返事を待ちましょう。なぜそう感じたのかという詳しい背景は、あとから話せば十分です。

相手を責める言葉を「感情」に言い換える

感情のように見えて、実は「相手がしたこと」を表している言葉があります。「無視されたと感じる」は「あなたが私を無視した」という意味になり、パートナーは責められたと感じて身構えてしまいます。その奥にある本当の感情を探してみましょう。

  • 無視された: 「孤独」や「傷」を試してみてください。
  • 軽んじられた: 「傷」や「怒」を試してみてください。
  • 批判された: 「恥」や「傷」を試してみてください。
  • 束縛されている: 「苛立」や「不安」を試してみてください。
  • 見捨てられた: 「恐」や「孤独」を試してみてください。

「夕飯のときにスマホを見られていて、孤独を感じた」と伝えれば、歩み寄りをお願いする言葉になります。「無視された気がした」と言うと、スマホを見ていたかどうかの言い合いになってしまいます。

感情が高ぶっているとき

動揺しすぎて具体的な言葉を選べないときは、中心のグループ名だけを伝えて少し時間をもらいましょう。「いま怒を感じているから、20分だけ時間を置いてほしい」と伝え、落ち着いてから話の続きをします。もし何度も行き着く言葉が「軽蔑」なら、そのままにしないでください。ゴットマン研究所(The Gottman Institute)は、軽蔑を離婚の最大の予測因子として挙げています。

パートナーが気持ちを打ち明けてくれたとき

自分の意見を言う前に、まず相手の言葉をそのまま受け止めます。「孤独なんだね。いつからそう感じてた?」と返すだけで十分です。気持ちを打ち明けることは、心理学者ジョン・ゴットマンが呼ぶ「つながりの働きかけ(ビッド)」にあたります。ゴットマン研究所の研究では、結婚から6年後も関係が続いていた夫婦は相手の働きかけに86%応えていたのに対し、離婚した夫婦では33%にとどまっていました。パートナーが何を求めているか分からないときは、慰めてほしいのか、解決を手伝ってほしいのか、ただ聞いてほしいのかを尋ねてみてください。Phorbの毎日のチェックイン質問でも同じフォローアップを取り入れています。

良い感情もシェアする

感情の輪を「ネガティブな気分の表」だと思っている人は少なくありません。でもこの輪にある「嬉」「信頼」、そして「期待」の多くは心地よい感情であり、同じくらい伝える価値があります。シェリー・ゲイブルらの4つの研究では、良い出来事を誰かに話すことで出来事そのもの以上に気分が高まり、パートナーが一緒になって喜んでくれるカップルほど親密さや日々の満足度が高いことが分かりました。「今日の電話対応がうまくいって誇らしい」という報告も、「ストレスを感じている」と同じくらい大切です。

感情に名前をつけると楽になる理由

  • UCLAの脳画像研究では、ネガティブな画像を見てその感情に言葉を当てはめた人は、別の方法で処理したときよりも扁桃体の活動が抑えられました。扁桃体は脅威に反応する部位であり、感情に名前をつけることで心の高ぶりが和らぐと考えられています。
  • トッド・カシュダン、リサ・フェルドマン・バレット、パトリック・マクナイトのレビュー論文によると、不快な感情を細かく区別できる人は、強いストレス下でも暴飲や攻撃的な行動、自傷に走りにくいことが示されています。心理学ではこれを「感情の粒度(エモーショナル・グラニュラリティ)」と呼びます。
  • 日常会話を記録した2つの日記研究では、自分の内面を打ち明け、相手も打ち明け返してくれたときにより強い親密さが生まれ、「理解してもらえた」という感覚がその結びつきを支えていました。事実を共有するよりも、感情を共有する方がふたりの距離を縮めます。

もちろん、ひとつの言葉でつらい1週間がすべて解決するわけではありません。ただ、言葉を見つけて、耳を傾けてくれる人に伝えることは確かな第一歩になります。そもそも自分の感情がまったく分からない場合や、気分の落ち込みが何週間も続く場合は、カウンセラーや医師に相談してください。

このページの感情の輪について

元祖となる「フィーリングホイール(Feeling Wheel)」は、1982年にグロリア・ウィルコックスが『Transactional Analysis Journal』で発表したものです。中心に6つの基本感情(悲しい、怒り、怖い、楽しい、力強い、穏やか)を置いた3層の輪で、多くのカウンセリング現場で使われています。

一方、ロバート・プルチックの「感情の輪」は、8つの基本感情を4組の対極ペア(喜びと悲しみ、信頼と嫌悪、恐れと怒り、驚きと期待)として配置したモデルです。

このページの感情の輪は、プルチックの8つの感情グループをベースに、外側のリングに日常で使いやすい37の言葉を配置しています。Phorbアプリ内でもまったく同じ言葉を選べるため、ここで見つけた言葉をそのままパートナーに送れます。スマートフォンの画面でもすべての言葉が読みやすいよう、あえて3層ではなく2層に絞っています。

感情の輪にある全37個の感情一覧

輪に並んでいるすべての言葉を一覧にまとめました。それぞれの意味と、パートナーに伝えるときのフレーズ例を見られます。

嬉

心地よく、エネルギーが湧いてくる気持ちです。良いことがあったときもパートナーに伝えましょう。大切な人と分かち合うと、喜びはもっと大きくなります。

楽観
まだ結果が出る前から、「きっとうまくいく」と前向きに思えている状態です。 “引っ越しのこと、なんだかうまくいく気がしてる。新しい街もきっと気に入ると思うな。”
自信
これから起きることにも、自分ならきっと対処できると信じられている状態です。 “明日の面接、なんだか自信があるんだ。終わったらどうだったか聞いてくれる?”
強
気持ちが安定していて力があり、心にも余裕がある状態です。 “今日はすごく調子がいいんだ。何か手伝えることがあったら言ってね、まだ余裕があるよ。”
喜
思わず顔に出てしまうような、明るく弾むような嬉しさです。 “今すごく嬉しい気分。さっき姉と電話して、今週一番の元気をもらったよ。”

信頼

誰かや何かと一緒にいて、温かさと安心を感じている状態です。身構えずに力を抜いていられます。

感謝
相手がしてくれたことに気づき、心が温かく動かされている気持ちです。 “頼む前に買い出しに行ってくれて本当にありがとう。すごく助かったよ。”
平和
何にも追われず、心が穏やかに落ち着いている状態です。 “今夜はすごく穏やかな気分だな。おうちでのんびり過ごさない?”
受容
無理に取り繕わなくても、ありのままの自分を受け入れてもらえていると感じる気持ちです。 “わたしの失敗を直そうとするんじゃなくて、一緒に笑ってくれたとき、すごく受け止めてもらえた気がしたよ。”
希望
状況がこれから良くなっていく道筋が見えている気持ちです。 “さっき話せて、週末の過ごし方もふたりでうまく調整できそうだって希望が湧いてきたよ。”

恐

大小を問わず、何かの脅威に心と体が身構えている状態です。恐れを感じているときは、解決策よりもまず「安心」がほしいことがほとんどです。

慎重
もう少し状況がわかるまで、焦らず様子を見ようとしている気持ちです。 “彼にまたお金を貸すのは、ちょっと慎重になりたいな。先にふたりで相談できる?”
弱
気力や体力が落ちていて、今日は踏ん張りがきかないような状態です。 “今日はなんだか気力が湧かなくて弱ってるみたい。夜ごはんのこと、お任せしてもいい?”
恐
何か悪いことが起きるのではないかと、心や体がこわばっている状態です。 “検査の結果がどうなるか怖いんだ。答えがほしいわけじゃないから、ただそばにいてくれる?”
不安
はっきりした理由がわからないまま、胸やお腹のあたりがザワザワする心配です。 “理由はまだわからないんだけど、なんだか不安で。少しだけ隣に座っていてくれる?”
緊張
大切な予定を前にして、ソワソワと落ち着かない状態です。 “土曜日にあなたの友達に会うの、ちょっと緊張してるんだ。最初は近くにいてくれる?”
心配
「うまくいかなかったらどうしよう」と、同じことが頭から離れない状態です。 “今月の生活費のことが心配で。日曜日に一緒に家計を見直せないかな?”

驚

予想外の出来事に対する反応です。嬉しい驚きにもガッカリする驚きにもなり得るので、どちらだったのかを言葉にして伝えましょう。

驚
突然の出来事に、ビクッと体が反応した状態です。 “急に入ってきたからびっくりしたよ。ちょっと深呼吸するね、大丈夫だよ。”
混乱
話や状況がつながらず、どう受け止めればいいかわからない状態です。 “連休の予定をどう決めたか、ちょっと頭が混乱しちゃって。もう一回一緒に確認してもいい?”
驚き
予想をはるかに超える出来事に、感動したり感心したりしている気持ちです。 “初めての旅行で聴いたあの曲を覚えていてくれたなんて、びっくりしたしすごく嬉しいよ。”
失望
楽しみにしていたことや期待していたことが叶わず、ガッカリしている気持ちです。 “今夜の予定がキャンセルになっちゃって残念だな。一日中ずっと楽しみにしてたんだ。”

悲

喪失感や痛み、心の距離を感じている状態です。悲しいときは、解決してほしいのではなく、ただ気持ちを受け止めてほしいことが多いものです。そうしてほしいときは正直に伝えましょう。

恥
自分のした行動だけでなく、「自分という人間そのものがダメなんだ」と感じてしまう気持ちです。 “昨日あんな言い方をしちゃった自分が恥ずかしいよ。ちゃんとそのことについて話したいな。”
孤独
周りに人がいても、心のつながりや温もりが足りなくて寂しい気持ちです。 “今週はずっと隣の部屋にいたのに、なんだか寂しかったんだ。ふたりきりでゆっくり過ごす夜を作らない?”
傷
誰かの言葉や行動によって、心がチクッと痛んだ状態です。 “今日あったことを話しているときにスマホを見られて、ちょっと傷ついたんだ。”
悲嘆
大切な人やペット、予定、思い描いていた未来などを失ったあとの深い悲しみです。 “今日はおばあちゃんのことを思い出して悲しいんだ。静かにしているかもしれないけど、あなたのせいじゃないからね。”
落込
気分が重く沈み、何にも関心が持てない状態です。2週間以上続く場合は、医師やカウンセラーに相談してください。 “ここしばらく、ずっと気分が沈んでいるんだ。あなたにも知っておいてほしいし、一度専門の人に相談してみようと思う。”
不満
これといった1つの原因があるわけではないけれど、全体的にモヤモヤして満たされない気持ちです。 “最近の夜の過ごし方、なんだかモヤモヤしてるんだ。少し変えてみない?”

嫌悪

何かが間違っている、または不快だと感じて距離を置きたくなる気持ちです。相手の人格ではなく、具体的な行動について伝えるようにしましょう。

不賛
何かに対して「それはよくない」と判断している状態です。感情というより評価に近いので、その下にあるイライラや心配、ガッカリ感を探してみましょう。 “デリバリーにお金を使いすぎている気がして気になっているんだ。ふたりで上限を決めない?”
嫌
特定のものや人から離れたい、関わりたくないと感じる気持ちです。 “メッセージで言い合いをするのは本当に嫌なんだ。話し合いは会えたときにしない?”
拒否
生理的に受け付けないような、強く身を引きたくなる感覚です。 “彼が元カノのことをあんなふうに話すのを聞いて、すごく嫌な気持ちになったんだ。今週の彼との食事はやめておきたいな。”
軽蔑
相手を見下してしまう感覚です。カップルの間では関係を深く傷つけるため、まだ話し合えていない不満が溜まっているサインとして向き合いましょう。 “ケンカのときに相手を見下すような気持ちになることがあって、そんな自分が嫌なんだ。まだ話せていないわだかまりがある気がする。”

怒

自分の境界線を越えられたときや、何かを妨げられたときのサインです。怒りの下には傷つきや恐れが隠れていることが多いので、奥にある気持ちも確かめてみましょう。

攻撃
相手を言い負かしたい、強く出たいという衝動です。行動に移す前に一度立ち止まりましょう。 “今ちょっと熱くなっていて、後悔するようなことを言いたくないんだ。20分だけ時間をくれる?”
怒
ストレートで熱い怒りの気持ちです。 “また支払いが忘れられていて腹が立ってるんだ。少し頭を冷やしたいから、夜ごはんのあとに話そう。”
動揺
心がかき乱されて落ち着かない状態で、怒りと傷つきが混ざっていることもよくあります。 “今朝のことがまだ心に引っかかっているんだ。今夜ゆっくり話せるかな?”
苛立
何かがうまく進まず、頑張っているのに報われないもどかしさです。 “洗い物がいつも溜まっていくのにイライラしちゃって。分担のやり方を変えてみない?”
侮辱
相手から軽んじられたと感じる状態です。「侮辱された」は相手の行動を表す言葉なので、その結果自分がどう感じたか(傷ついた、恥ずかしかった、腹が立った)を伝えましょう。 “友達の前でわたしの仕事を冗談にされたとき、恥ずかしかったし傷ついたよ。”

期待

これから起きることに意識とエネルギーが向いている状態です。ワクワクすることもあれば、プレッシャーとして感じることもあります。

興味
好奇心が湧いて、何かに惹きつけられている気持ちです。 “あの陶芸教室、ちょっと気になってるんだ。1回体験に一緒に行ってみない?”
ストレス
やることが多すぎるのに、時間や助けが足りていない状態です。 “締め切りが迫っていてストレスが溜まってるんだ。今夜は静かに過ごして、ギュッとハグしてくれたらすごく助かるな。”
待望
良いことが始まるのを待ちきれずにいる気持ちです。 “金曜日が待ち遠しいな。週末の楽しみを何か1つ計画しない?”
興奮
これから起きる楽しみなことに、ワクワクしてエネルギーが高まっている状態です。 “旅行が楽しみすぎて仕事に集中できないよ。今夜一緒に地図を見ない?”

「感情の輪」についてのよくある質問

感情の輪はどうやって使いますか?

内側から外側へ向かって見ていきます。まず中心にある大まかなグループから今の気分に一番近いものを選び、次に外側の輪から最もぴったりくる具体的な言葉を選びます。どれもしっくりこないときは、当てはまらないグループを消去法で外していくと見つけやすくなります。

感情の輪を作ったのは誰ですか?

1982年にグロリア・ウィルコックスが『Transactional Analysis Journal』で「フィーリング・ホイール」を発表しました。また、心理学者のロバート・プルチックは8つの基本感情をもとにした独自の「感情の輪」を考案しており、このページではプルチックの8つのグループを採用しています。

感情の輪の基本感情には何がありますか?

バージョンによって異なります。このページの輪では、プルチックの8つの基本感情(嬉・信頼・恐・驚・悲・嫌悪・怒・期待)を使っています。ウィルコックスの版では、悲しみ・怒り・恐れ・喜び・力強さ・穏やかさの6つから始まります。

「感情の輪」と「感情ホイール」は同じものですか?

ほぼ同じ意味で使われています。感情の言葉を円形に並べた図のことを、どちらもそう呼びます。厳密にはウィルコックスの図とプルチックの図で由来が異なりますが、使い方は同じです。

印刷できる感情の輪のPDFはありますか?

はい。このページから1ページのPDFを無料・登録不要でダウンロードできます。同じ37個の感情の言葉と、パートナーに伝えるひとことテンプレートが載っているので、印刷して冷蔵庫などに貼っておけます。

ケンカ中にカップルで感情の輪を使ってもいいですか?

はい、ただしまずはクールダウンするのがおすすめです。感情が高ぶっているときは、「今は怒っているから、少し休憩したい」と中心のグループを伝えるだけで十分です。ふたりとも落ち着いてから輪を開くと、怒りの下にあった「傷」や「恥」などのより具体的な気持ちを見つけやすくなります。

長文ではなく、今の気持ちをポンと送る

Phorbでも同じ37個の感情を使えます。気持ちを1つ選んで「安心」や「少し距離を」といったニーズを添えるだけで、パートナーのiPhoneやホーム画面ウィジェットに届きます。

Phorbの感情の輪のしくみを見る

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